マイカー通勤をされている方々も多いでしょう。バイク通勤も自転車通勤もですね。今日は車輌と職場のことを書いてみましょう。
自動車での通勤の場合には、採用をされたときに車検証のコピーを提出されませんでしたか?? 任意保険の保険証券もだったと思います。
『こんなデリケートなものを、どうして提出しないといけないんだろう……』
と、少し嫌な気持ちになったかも知れません。でも、これを提出せねばならない事業所で採用をされた方々は、ある意味でラッキーな勤務先に巡り合えたことになるのです。
勤務先への行き帰りに、万が一の交通事故に遭遇したとしましょう。状況によっては、会社が責任の一部を受け持ってくれるのです。しばらく入院になるような際に、欠勤などの扱いにならないようにして、経済的に困らないように可能な限りの社則を適用して、完治して職場復帰を待っていてくれるのです。
但し、明らかに本人の不注意や、乱暴な運転が原因の場合には、逆に社則の罰則も適用されますから、一枚の運転免許証を使う責任の重さのことは、通勤ではない運転時にも、よくよく心しましょう。自分の車なのに、会社とどんな関係になるのかは、最後にまとめます。
原付バイクや自転車で通勤をされている方々も多いと思います。どちらも自転車です。
原付バイクは原動機付自転車、自転車はそのまま自転車ですから、交通費の支給の有る無しの、どちらの方もいるでしょう。これは、大企業などの、社則や就業規則などが詳しく決まっているような場合には……
『公共交通機関の利用として交通費を出しますから、事故や怪我の場合には自己責任になりますよ』
と、約束を交わしたかと思います。もしくは……
『近距離なので徒歩通勤をしてほしいのです。つまり交通費は出ません。でも、事故や怪我の責任を自己負担されるのでしたら、暗黙で駐輪してもいいでしょう』
と、これまた約束を交わしたかと思います。
両方とも、通勤時の事故や怪我の責任は、労働者がぜんぶ負う覚悟で勤務されているでしょうね。くれぐれも安全な交通を心しましょう。
二輪車だって道具です。通勤に使えばタイヤも減りますし。金属部分も劣化しますが、これはさきほどの『約束』によっては、交通費をもらっている場合には、その中から点検や修理ができますし、もらっていない場合は……約束は約束です。貯金から自分でがんばりましょう。
もちろん自動車でも同じです。距離計算でガソリン代をもらう中から、なんとか工面して、きちんと車検に通っている車輌であることを維持しましょう。車検が切れたままで通勤など、もってのほかです。忘れていたとしても、勤務先の側から新たな車検証のコピーの提出を促され、慌てて車検の手配をしても、車検が完了するまでは、自動車で通勤してはいけません。通勤だけではないのですが……(教習所で習いましたね)
某大企業の契約社員だったあきこさん(仮名)は、ある日、会社からの週知事項内容を読んでずっこけました。
『自転車通勤の社員、その他嘱託員からアルバイト職員も含め、ブレーキのないスポーツタイプの自転車での通勤は禁止します』
あきこさんは、こんなことは当然だと思いましたが、どうしてそんなことが周知されたのかを、よくよく読みました。
『通勤と健康維持を兼ねて、運動のつもりだった……』
と、スタッフの側にも悪意のないことでした。これなら閃きを実行しただけのことです。なので通勤用にはもう、ブレーキのない自転車を使わないようにすればよいのですが……
『交通費ももらっていないし、自分の道具で通勤しているのに、どうして会社がいちいちそこまで立ち入るんだ。そんな権利が会社にあるのか……』
と、その事例では、労働者と勤務先が揉めてしまっていたのでした。
自転車だけではなく、車輌で通勤をする場合に、交通事故に至った場合の中でも、勤務先の敷地への出入りの場面を想像しましょう。
『あの会社から出てきた車輌とぶつかった……』
『あの会社の人が自転車で競輪みたいに暴走して困る……』
など、他者から見ると会社のマナーが悪いとうつります。
マナーだけならまだしも、実際に自転車と通行者が接触をした前例もあったようで、これはもう、会社が責められて然るべきですし、その会社がまた、労働者に厳しく注意して当然です。
微妙なグレーゾーンのような、自分の所有する車輌と勤務先との関係は、実はこのように社会に対する責任問題を含んだものだったのです。
自宅と勤務先との間の、車輌に乗っている間は、プライベート時間ではありますが、会社の、勤務先の責任も積んで乗っているのです。楽な通勤手段に見えても、問題ごとになるとかなり面倒です。常日頃から、通勤用の車輌の安全管理には、何度でも手間をさいておきましょう。
さて、自動車が整備工場で修理を受けていたとしましょう。そして、代車での通勤を数日間、しないといけない場合を想定しましょう。ちょっとの間ですが、事情を上長(上司や店長など)に報告しておきましょう。この報告があった場合には、いつもの車と同じように会社が守ってくれるよう、決まりごとが適用されやすいのですが、黙って代車で通勤していた場合には、最悪の場合には無断駐車の車輌として扱われ、
『なんだ、うちの社員だったじゃないか……』
と、自分も会社も大恥をかいてしまうことも、実は大いにあるのです。